Colloquium

熊谷充敏

相対的平衡の安定性と簡約化

1月8日(金) 13時30分

前回の発表では、平面3体問題においてラグランジュの正3角形解が回転対称性 により簡約化された相空間上で平衡点になり、その平衡点まわりでの線形化方程 式を考えると力学行列の固有値に正の実数が現れる、すなわち、平衡点が不安定 になることを示した。今回は、まずオイラーの直線解でもラグランジュの正3角 形解の場合と同様の結果が得られることを示し、さらに線形化で得られた固有値 の固有ベクトル(を初期値とする解)を簡約化する前の配位空間に戻すことで、 その固有ベクトル(を初期値とする解)の幾何学的意味を考える。また、平面n 体問題の解が相対的平衡になるための必要十分条件を導出したのでそれも紹介す る。

参考文献:
[1] T. Iwai, ``A gauge theory for the quantum planar three-body system'' , J. Math. Phys., 28, 964--974 (1987).