Colloquium

熊谷充敏

相対的平衡と簡約化

12月11日(金) 13時30分

力学系に対称性があると、それに対応した保存量が存在する。 そして、その保存量により系の自由度を減らすことができ、これを 力学系の簡約化という。今回は、平面上のN体問題で現れる相対的平衡 と呼ばれる周期解が、回転対称性により簡約化された相空間上で平衡点 になること、その平衡点の近傍における線形化方程式では回転に対応する 固有値0が消えること、さらにその平衡点が不安定であることを(N=3の 正3角形配置に限り)確認できたので、それを紹介する。

参考文献:
[1]Gareth E Roberts,"Spectral instability of relative equilibria in the planar n-body problem",Nonlinearity 12(1999)757-769
[2] T. Iwai, ``A geometric setting for the quantum planar n-body system, and a U(n-1) basis for the internal states'' , J. Math. Phys., 29, 1325--1337 (1988).