Colloquium

藤本 健治 氏
(名古屋大学工学研究科)

ハミルトン系モデルを用いたメカトロニクス系の制御

6月23日(火) 15時00分

近年,非線形系をそのまま扱う非線形制御の研究がさかんに行われているが, モデル化や設計に要する労力は線形制御に比べて格段に大きなものとなり, 現状では実用化が難しいものが多い.そこで非線形モデル全体を扱うのではなく, 実用性の高いサブクラスであるメカトロニクス系に対象を絞った 制御手法の研究が行われている. このクラスの制御対象の記述にはいくつかのモデルが提案されているが, ここでは扱える対象の多いハミルトン系を用いた手法を扱う. ハミルトン系モデルを用いた制御問題には大きく分けて, (a) モデル化・(b) フィードバック制御則の設計・(c) その他の制御手法, に分けられるが,本発表では筆者がこれまで研究を行ってきた, (b)フィードバック制御および(c)のうちの学習制御の概要を紹介する. フィードバック制御に関しては主にエネルギー保存量を用いる方法, (c)の学習制御に関しては,ハミルトン系の入出力応答に関する ある種の対称性を用いたものとなっている. これらの結果をを数値シミュレーションや実験結果をまじえながら紹介する.