Colloquium
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Poincar\'e-Bendixson理論 小川 駿 5月29日(金) 13時30分
微分方程式の理論は数学、 自然科学など様々な分野で利用される。 しかし、一般には微分方程式は”解く”ことができない。 そこで、1881年、Poincar\'eは、"微分方程式で定まる曲線を求めよ"という問を出している。 Poincar\'e-Bendixson理論はこの問から生まれた2次元の常微分方程式の理論であり、解軌道の漸近的な振る舞いに着目している。 19世紀後半、Poincar\'eはこの問について、ベクトル場が解析的である場合の結果を与えた。 さらに1901年にBendixsonにより、ベクトル場がC^1級である場合に現在Poincar\'e-Bendixson定理と呼ばれている定理が示された。 この定理により、リミットサイクルの存在やカオスが発生しないことなどが示される。 今回は、1960年代になされたA.J.Schwartzによる一般化などその後になされた拡張も紹介する。 |
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