Colloquium

2つのテンソル物理量を持つ分子系のランダウ-ドゥ ジャン解析

松本 昇吾

1月16日(金) 13時30分

ランダウ-ドゥ ジャン理論は液晶の等方相-ネマチック相転移現象を説明する現 象論である。 geometric order parameterは分子のもつミクロな異方性と、マクロな量である秩 序パラメータ とを関係づけるものである。
geometric order parameterをランダウ理論に応用することで、ミクロの異方性 を考慮した 液晶相転移の解析が可能になると考え、実際に分子が2つの同時対角化可能なテン ソル物理量(ミクロの異方性) を持つ系に対し上の方法で相転移の解析を試みた。しかし、この方法では相転移 はミクロの異方性に依存しない ことが分かった。その理由について説明する。また、上のことをふまえて、同時 対角化可能な2つの テンソル物理量をもつ分子系の液晶相転移をランダウ理論を用いて解析する方法 を示す。

参考文献:
[1]Shogo Tanimura, Tomonori Koda, Characterization of geometric structures of biaxial nematic phases,
http://xxx.yukawa.kyoto-u.ac.jp/abs/0805.2471(2008)
[2]D.Allender, L.Longa, Landau-de Gennes theory of biaxial nematics re-examined,
[3]折原 宏, 液晶の物理, 内田老鶴圃(2004).
[4]竹添秀男, 渡辺順次, 液晶・高分子入門, 裳華房(2004).