Colloquium
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Lobe,Tubeの関係と高自由度化 中田 悟 11月7日(金) 13時30分
化学反応等のポテンシャルを越えて状態が変化する系を考える。 系において反応(障壁となるポテンシャルを乗り越えること)が起こる割合を求め たい。 全エネルギーが高い場合は、Rice-Ramsperger-Kassel-Marcus (RRKM)理論などの 統計的な処理により求められる。 全体のエネルギーがそれほど高くなく統計で扱えるほどカオスが発達していない 場合、 力学の情報からポテンシャルを越えるか否かの軌道の割合を求めることになる。 反応を担う自由度(反応自由度という)にはポテンシャルの頂点程度のエネルギー があり 低エネルギーの調和振動子と相互作用がしている場合を考えると、 調和振動子の位相や相互作用のタイミングにより 反応自由度のエネルギーが変化し、ポテンシャルを越えられるか否かは変化する 。 反応が起こる軌道の割合を求める手法にLobe dynamics[1]とTube dynamics[2]が ある。 今回はこれら2つの手法の2自由度系における関係を明らかにする。 またLobe dynamicsは3自由度以上において定義できないことが知られているが、 2自由度におけるTubeとの関係を用いることで疑似的なLobeを 定義できることを述べる。 |
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