Colloquium

LobeとTubeの関係と限界

中田 悟

6月20日(金) 13時30分

振り子の運動はセパラトリクスを境に、相空間の内側の振動運動と外側の回転運 動に 大きく分かれる。摂動を加えカオスが発生すると、内と外が混じりあう。 ハミルトン系に摂動を加えた際、どの程度混じるかを扱う手法にlobe dynamicsと tube dynamicsがある。どちらの手法も2自由度で開発された手法である。 高自由度に適用した場合、lobe dynamicsは3自由度系で上手くいかない例が報告 されている[1]。 これら2つの手法の関係と、限界について論じたい。

参考文献:
[1]Stephen WIGGINS, "On the geometry of transport in phase space I. Transport in k-degree-of-freedom Hamiltonian systems, 2 ≤ k < ∞", Physica D 44 (1990) 471-501.