Colloquium

平均場相互作用における強磁性体モデルの準定常状態

磯部 智宏

5月2日(金) 13時30分

強磁性体におけるヒステリシスをHamiltonian mean-field(HMF)モデルを用いて 説明する。HMFモデルにおいては外部磁場が0の状態と0でない状態が同時に 熱的安定になることはない。よって熱平衡状態を仮定していてはヒステリシスを 説明することはできない。しかし、HMFモデルでは、熱平衡に緩和される前に しばしば準定常状態と呼ばれる状態に滞留する。この準定常状態での磁化の 値は初期状態に依存するので、履歴により磁場が同じでも異なる磁化を持つ ことがある。よって準定常状態を用いるとヒステリシスが説明できると期待される。