Colloquium

Lie Symmetry を用いたくりこみ群による漸近解の構成方法

巌佐 正智

3月5日(木) 13時30分

常微分方程式系における特異摂動法としては、多重尺度法、平均化法、NormalFormの方法、くりこみ群の方法などが考案されてきた。本発表では、これらとは異なる特異摂動法として、Lie対称性を用いたくりこみ群の方法[1]を提案する。これは、元の力学系の近似的なLie対称性を求めることにより、漸近解の振る舞いを記述する方程式を導出する方法である。
本発表では、Lie対称性と特異摂動問題について簡単に紹介した後に、この方法の手続きを具体例を挙げて説明する。また、この方法は差分方程式系へも適用することができ[2]、その構成方法についても話す。

参考文献
[1] M. Iwasa and K. Nozaki, Prog. Theor. Phys. 116 (2006), 605.
[2] M. Iwasa and K. Nozaki, J. Phys. A: Math. Theor. 41 (2008) 085204.