Colloquium

トーラスに対する「コヒーレント状態変換」とAbel多様体

多羅間 大輔

10月5日(金) 13時30分

B.Hallによって、SegalやBargmannの「コヒーレント状態変換(Coherent State Transform, CST)」に関する仕事の一般化として、コンパクトLie群に対するCSTが定義された。この変換によってコンパクトLie群上の自乗可積分函数は(適当な測度をとれば、ユニタリーに)複素化されたLie群上の正則函数に写る。今回の報告では、トーラスに対するCSTを複素代数幾何学的な見地から考察したという、C.A.Florentinoらによる結果について紹介する。

参考文献
B. C. Hall, The Segal-Bargmann "Coherent State" Transform for Compact Lie Groups, J. Funct. Anal. 122(1994), 103-151.
C. A. Florentino, J. M. Mourao, and J. P. Nunes, Coherent State Transforms and Abelian Varieties, J. Funct. Anal. 192(2002), 410-424.