Colloquium

シートモデルにおいてのLynden-Bell統計

衛 涛

11月30日(木) 13時30分

初期状態が緩和すると平衡状態へ移るが、相互作用が長距離の場合 一旦準定常状態を経る。 Lynden-Bell (1967) は violent relaxation というものを 提案した。
「系がまだ力学平衡に落ちついていないあいだ、密度分布、 したがってポテンシャルは複雑な時間変化をする。 これは、それぞれの粒子エネルギーを変える。 粒子のエネルギーの変わり方は初期の位置によって決まるので、 エントロピーが変わるとか、ランダム化されるとかいうことはないが、 粗視化してみれば粒子のエネルギーの変わり方はランダムとみなせるはずである。 従って、このランダムな変化に対する熱平衡が存在するはずである。 これをLynden-Bell統計と名付ける。 力学平衡に向かう間は、 Lynden-Bell統計に向かう進化も同時に起きているはずである。」

本研究ではシートモデルにおいてLynden-Bellの論理が 成り立つかどうかを検証する。