Colloquium

尖度を用いた非ガウス性最大化によるICA

山本 涼

10月13日(金) 13時30分

独立成分分析(ICA)とは何か、基本的な独立成分分析はどのような動機と考察によって発展したのか概要を説明する。

例えば、パーティなどで大勢が一斉に喋っている現場においても、ある特定の話者の会話、物音を我々は選びとって聞くことが出来る。このことは我々のなかに、任意の信号をほぼ分離して聞き取る能力があることを示している。これをどのようにして実現するかという問題が、独立成分分析(ICA)研究の火付け役となった「カクテルパーティ問題」である。

この「カクテルパーティ問題」を線形的な数学的モデルで説明し、ICAの前提としての白色化の有用性について述べる。そして、どのような分布をする独立成分にも使えて信頼性も高い方法(の最も基本的なひとつ)である「4次のキュムラントを用いた非ガウス性の最大化によるICA」について説明する。