Colloquim

平均場相互作用ハミルトン系の準定常状態とVlasov方程式

山口 義幸

12月22日(木) 13時30分

長距離相互作用する多自由度ハミルトン系では、 熱平衡状態に達する前に凖定常状態と 言われる状態を経験することがある。 凖定常状態があると緩和時間が大幅に長くなるなど、 緩和過程において大きな位置を占めているばかりでなく、 非平衡系のダイナミクスを理解する足掛かりとしても重要である。
凖定常状態を理解する試みはいくつかあるが、 ここでは Vlasov 方程式との関係で理解することを試みる。 Vlasov 方程式は無限自由度では平均場系を厳密に記述するが、 有限自由度では近似方程式と見ることができる。
このことを用いて、まず有限自由度系の凖定常状態が Vlasov 方程式の安定定常解に対応することを述べる。 そして、ダイナミクスを理解する上で重要な相関関数を、 Vlasov 方程式を使って理論的に導出し、数値的に検証する。