Colloquim

量子3体系の摂動計算

山岡 英孝

12月9日(金) 13時30分

多体力学系の回転対称性による簡約化を扱う.
回転群SO(3)は,多体重心系へ自然に作用する. SO(3)-作用の軌道型に従って,多体重心系は3つの層へ層化される. 主層は等方部分群が自明な非特異配位から成る. 残りの2つの層は直線状配位からなる層と全衝突配位のみからなる層であり, 各々の等方部分群はそれぞれSO(2)やSO(3)に同型である. 後者の2つの層に含まれる配位を特異配位と呼ぶ. 古典系,量子系とも,力学は各々の層ごとに定式化され, SO(3)の対称性により各層ごとに簡約化される.
以前,古典3体系において,層を行き交う運動として微小振動運動を扱った. %現在は,上の枠組での量子系の摂動的取扱いに取り組んでいる.
本コロキウムでは, 量子系の層化簡約化で得られた簡約化ラプラシアンを出発とし, 古典3体系の場合と同様に平衡形状からの摂動を考える. また,摂動系でのエネルギーの計算結果などについて考察したい. 以上を報告する。