Colloquim

ある決定論的なフラクタルパターン生成とそこから導かれる新たな次元測定理論

早川 雄介

12月9日(木) 14時00分

フラクタルパターン生成過程の一つとして Diffusion Limited Aggregation (DLA) がある。 この DLA のモデルとして、ある等角写像を 無作為性を含んだ行程で反復作用させるモデルが知られている。 しかしこのモデルでは、行程の無作為性により、 フラクタルの性質について調べるには、困難である。
そこで本研究では、そのモデルから無作為性を排したモデルに ついて考える。その行程として、winding number (以下 W と表す) という数で特徴付けられる決定論的行程を用いる。 そして、まず W が2次の無理数である場合について、 そのモデルがフラクタルパターンを生成することと、 W がどんな2次の無理数であっても、その次元が等しいことを示す。 しかしこれでもまだ、次元を計算するのは困難であるから、 2次の無理数 W を P / Q に有理近似することを考える。 この場合、フラクタルパターンとはならず、 フラクタルのような部分と1次元的パターンの部分に分かれる。 この性質について解明し、またそこから新たな次元測定理論を導く。

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