Colloquim

Contact Processモデルにおけるネットワーク構造の次元性

井上 武

10月29日(金) 13:30-

ネットワーク上での力学を考える際に重要なのが相転移である。例えばインター ネットのパケットフローにおける相転移の場合、単位時間あたりのネットワー ク全体に存在するパケット量があるしきい値に達した時、その臨界点を挟んで パケットフローの振舞いが大きく変化し、パケットロスが最小かつ転送スピー ドが最大となる状態がこの臨界点で実現される。その為パケットフローの相転 移の考察は、情報伝達の最適化には欠かせない。この相転移をうまく説明する モデルに、Contact Process(CP)モデルというものがある。これは、インター ネット上の隣接したgateway同士の相互作用を、数学モデルで記述したもので ある。

そこで本研究の目的である
「情報伝達効率の最適化を実現するネットワーク構造の提案」
に向けて今回は
「Contact Processモデルにおけるネットワーク構造の次元性」
について発表する。
まずは前回の発表のおさらいとしてCPモデルの解説を行う。またこのモデル を1次元,2次元ネットワーク上で実装し、計算結果から次元によって臨界点が 違う事が判明したので、その差異の原因についての考察を発表する。次に、 Globally Coupled Networkやこれまでに紹介したネットワーク(Small World Network,Scale Free Network)上でCPモデルを実装し、得られた結果と1次元, 2次元ネットワークの結果とを比較した。これより各ネットワーク構造の次元 性について述べる。

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