Colloquim

量子探索アルゴリズムの幾何学的描像2

日野 英逸

10月15日(金) 13:30-

量子探索アルゴリズムの幾何学的研究として, 「複数データ($m$個)を探索するGrover型アルゴリズムは, ノルム$1$の $2^{n} \times m$複素行列の点列を生成すること, また, ノルム$1$の $2^{n} \times m$複素行列から非負定値$m$次エルミト行列への射影が存在し, 探索点列はエルミト行列の空間($P_{m}$)においてvon Neumannエントロピー の最大点へと向かう」ことが知られている.

前回の発表では, トレース$1$の非負定値$m$次エルミト行列の空間$\dot{P}_{m}$ においてvon Neumannエントロピーから得られるポテンシャルについての勾配方 程式を導出し, 探索目的状態の射影を勾配方程式の沈み込み点として特徴づけた.

今回は, 上述の勾配方程式が多項分布族のなす空間の, Fisher計量のポテンシャ ルをポテンシャルとする勾配方程式と本質的に等しいことを述べる.
また, $P_{m}$の接空間を, 「勾配方程式に従い固有値が動く方向」と「それと 直交する方向」に分解した. それにより, 固有値方向の元については$P_{m}$に 定義した自然なRiemann計量と, 多項分布族におけるFisher計量とが一致するこ とを示す.

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