Colloquim

CPモデルを用いたパケットフローの相転移

井上 武

6月11日(金) 13時30分

ネットワーク上での力学を考える際に重要なのが、その力学系における相転移 である。例えばインターネットのパケットフローにおける相転移の場合、その 臨界点を挟んでパケットフローの振舞いが大きく変化し、パケットロスが最小 限でかつ転送スピードが最大となる状態がこの臨界点で実現される。その為パ ケットフローの相転移の考察は、情報伝達の最適化には欠かせないファクター となっている。 この相転移をうまく説明するモデルに、CP(Contact Process)モデルというもの がある。これは、ネットワーク理論における節点を意味するインターネット上 のgatewayの内、隣接したもの同士の相互作用を数学モデルに変換したものであ る。 そこで今回の発表では、本研究の目的である 「情報伝達効率の最適化を実現するネットワーク構造の提案」 に向けて、まずは実際にパケットフローにおいて相転移が存在する事を紹介し、 次に上記のCPモデルを説明する。更に応用問題へ向けて1次元最近接相互作用 系においてCPモデルの数値実験を行ったので、その結果を示す。

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