Colloquim

Quantization on a torus without position operators

谷村省吾 氏 (大阪市立大学)

10月16日(木)15時

量子化とは、正準交換関係を満たす位置演算子と運動量演算子が生成する代数 の既約表現である、というのがフォン・ノイマンによるユークリッド空間上の 量子力学の定式化である。正準交換代数の既約表現はすべてユニタリ同値であ ることが証明されている。その意味で、ハイゼンベルグの行列力学と、シュレー ディンガーの波動力学は、同一の代数の、見かけの異なる表現にしかすぎない ことが理解されている。
今回、正準交換関係に代わる新しい代数を定義し、その既約表現が自然に磁場 中トーラス上の量子力学を与えることを見出した。この代数は、運動量演算子 と対称性演算子だけで生成され、位置演算子をあらかじめ導入しておく必要は ない。また、この代数の既約表現はすべてユニタリ同値であることも証明した。 この意味で、磁場中トーラス上の量子力学は、位置演算子なしに完全に代数的 に特徴づけられる。
参考文献: http://xxx.yukawa.kyoto-u.ac.jp/abs/hep-th/0309091

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