Colloquim

Fermi-Pasta-Ulam系における低次元解について

篠原 晋

6月20日(木)15時00分

ハミルトン系では、対称性によって、ある特定の初期条件に対しては、 ダイナミクスが低自由度ハミルトニアンで記述される場合がある。 たとえば、二自由度系のH\'enon-Heiles系では、ポテンシャルの 対称軸に一致する解(直線解)のダイナミクスは一自由度系で 記述され厳密に解が求められる。このように、全系のハミルトニアン よりも自由度の小さなハミルトニアンによってダイナミクスが 記述される解は、多自由度非可積分系においても見い出される。 一自由度解が常に可積分であるのに対し、自由度2以上の 低次元解ではカオス解も発生し得る。今回の発表では、 非線形格子振動モデル(Fermi-Pasta-Ulam(FPU)-$\beta$ 系)における 低次元解の性質について報告する。

戻る