Colloquim

幾何学的方法によるハミルトン系のリアプノフ解析

山口 義幸

2001年7月12日13時30分

非線形力学系を解析する道具の一つであるリアプノフ解析は、指数的不安定 性の平均的な度合を示すリアプノフ指数と、時々刻々で不安定方向を指すリ アプノフベクトルがある。ハミルトン系の場合、前者は自明にゼロな2つの 指数を持つため、後者による解析を行う際にはこれら2つの指数に対応した 2方向を、その他の方向と分離するような手法を考えることにより、純粋に 不安定な方向を抽出したい。しかし、従来使われている線形化正準方程式で は、この要求は満たされない。本セミナーでは、力学系を幾何学に乗せるこ とにより2つの方向を分離する方法を理論的に構築し、この方法を用いたシ ミュレーションの結果をいくつか報告する。

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