コロキウム

複数のグラフに依存する結合振動子系の連続極限

伊原亮輔 氏

2018年11月29日(木) 13時00分

総合研究10号館317号室(セミナー室)

グラフ上の結合振動子系は,ニューラルネットワークやジョセフソン接合配列, 電力ネットワークなどさまざまな数理モデルを提供し,一般に大きな次元を有する. 連続極限はこれらの系に対する有力な解析手法のひとつであり,大次元の微分方程式系の解を 積分微分方程式の解によって近似するものである.最近Medvedev [1] は単一グラフ上の 結合振動子系に対する連続極限について数学的な基礎を与えている. 今回の発表では,文献[1] の結果を拡張し,複数のグラフに依存する結合振動子系に対しても 連続極限の手法が有効であることを理論的に明らかにする.また,具体例として, 2 つのグラフに依存する蔵本モデルを取りあげ,理論結果の有用性を確認する.

[1] G.S. Medvedev, The nonlinear heat equation on dense graphs and graph limits, SIAM J. Math. Anal., 46 (2014), 2743-2766.


Last modified: Thu Nov 22 20:14:43 JST 2018