コロキウム

時間遅れを持つ蔵本モデルにおける非同期状態の安定性

岡田青空 氏

2018年10月4日(木) 13時00分

総合研究10号館317号室(セミナー室)

自然振動数と呼ばれる固有の振動数で振動する素子が相互作用する系において、相互作用や周期的な外力の作用によって振動子の実効的な振動数が一致する現象を同期現象という。蔵本モデルは結合振動数子系の同期現象を記述するモデルであり、振動子間の結合強度が大きくなると、非同期状態から同期状態に転移する。自然振動数の分布関数がデルタ関数の時、任意の引力的な結合強度で非同期状態は不安定であるが、相互作用に時間遅れを導入することによって安定になる場合があることが報告されている[1]。本発表ではこの先行研究を紹介するとともに、今後の研究方針を述べる。

[1] M. K. S. Yeung and S. H. Strogatz, Time Delay in the Kuramoto Model of Coupled Oscillators, Phys. Rev. Lett. 82, 648 (1999).


Last modified: Wed Oct 3 14:16:30 JST 2018