コロキウム

確率システムにおけるサンプルパス安定性とp次モーメント安定性の相関

北岡亮 氏

2015年11月19日(木) 15時00分

工学部1号館317号室(セミナー室)

確率微分方程式を支配方程式としてもつ確率システムの平衡点の安定性の定義として、一般的な力学系で用いられる(サンプルパスとしての)「安定」の他に、 解軌道の集まり(モーメント)としての安定性の概念である「p次モーメント安定」を考える場合がある。 これらの2つの安定性の判別法として、それぞれLyapunov指数・p次モーメントLyapunov指数を考え、その正負を確かめるという方法がある。 本発表では、まず確率システムについてLyapunov指数を定義し、それが(確率1で)存在するためのシステムの条件について述べる。 次に、p次モーメントLyapunov指数を導入し、Lyapunov指数との相関を述べる。 この相関により、サンプルパスの安定性がどのような条件下でモーメント安定性と一致するかを示し、結論とする。

Last modified: Tue Nov 17 10:27:01 JST 2015