コロキウム

原子間力顕微鏡におけるマイクロカンチレバーのダイナミクスと制御

矢ヶ崎一幸 氏

2015年10月15日(木) 15時00分

工学部1号館317号室(セミナー室)

原子間顕微鏡は試料表面形状をナノスケールで測定することが可能な装置で, 自然科学の広い分野で用いられ,そのプローブであるマイクロカンチレバー ではさまざまな非線形挙動が起こることが知られている.本講演では,実験 結果をよく再現する,Leeら(2002)により提案されたものと類似の数学モデル を採用し,平均法およびMelnikovの方法と呼ばれる,力学系に対してしばしば 用いられる手法を適用し,そこで起こる非線形現象を理論解析した結果を述べる. さらに,Pyragas(1992)によりカオス制御法として提案された外部フィード バック制御を適用することによって,カンチレバーの振動制御と同時に試料表面 の形状測定が可能なことを数値的に示し,余次元2の分岐現象を含めて,そこで 起こる非線形挙動を理論的に明らかにする.最後に,実機への応用を考え,実際 の振動波形の代わりに近似的な振動波形を用いる概外部フィードバック制御法を 提案し,数値結果を与え,その有効性を確認する.

Last modified: Fri Oct 2 17:23:35 JST 2015