コロキウム

長距離相互作用ハミルトン系における相転移の臨界指数

澤井大基 氏

2014年10月30日(木) 13時00分

工学部1号館317号室(セミナー室)

  長距離相互作用系のHamiltonian Mean Field (HMF)モデルはサークル上に在る粒子の分布を解析するモデルの一つである。HMFモデルは 相転移を起こす系であるが、転移点における臨界指数の値を求めるためにこのモデルを用いる。

 HMFモデルにおいて、ダイナミクスによって算出された臨界指数の値が、平衡統計力学を用いて算出された臨界指数の値と異なることが先 行研究によって発見されている。

 HMFモデルを発展させたモデルがGeneralized Hamiltonian Mean Field (GHMF)モデルである。サークル上の粒子が集中する場合、HMFモデ ルでは任意の一方向のみであったが、HMFモデルに対してパラメータを一つ増やすことによって、GHMFモデルでは二方向に集中する粒子の分 布状態も表現できるようになった。

 このGHMFモデルにおいてもHMFモデルと同様に、ダイナミクスによる臨界指数の値が、平衡統計力学による臨界指数の値と異なる値を示す かどうかを数値実験により確認することが研究目標である。粒子の分布状態が一方向から二方向に転移する場合においてはHMFモデルでは算 出できない。この転移点の臨界指数が今回の研究の主題である。

 これまでに行われてきた?研究の歴史に踏まえてこれからの研究の展望を発表する。


Last modified: Mon Oct 27 13:49:31 JST 2014