山添祥太郎 氏
2014年7月10日(木) 13時30分
工学部1号館317号室(セミナー室)
エネルギーの固有状態にある量子系に摂動を加えたとき,ある確率で系が別のエネルギー固有状態に遷移するという現象が起こる.この遷移確率を与える公式をFermiの黄金律と呼ぶ.
非線形Schrödinger方程式の定常解の漸近安定性の研究においては,この遷移確率の正値性が重要な役割を果たす.
本発表では,Fermiの黄金律とは何か,またそれが定常解の安定性解析においてどのように用いられるかについて解説し,それを踏まえて今後の研究の展望を述べる.