三木滉大 氏
2020年7月9日(木) 15時00分
Zoom会議
相互作用が長距離まで及ぶ大自由度ハミルトン系は熱平衡状態に緩和する過程で準定常状態と呼ばれる非熱平衡状態にしばしば長時間トラップされる。熱平衡状態と同様に準定常状態でも無秩序相と秩序相の間で相転移が起こる。つまり無秩序状態を表す空間一様状態が不安定化することがある。たとえば相互作用が引力であれば相転移が起こるが、オーダーパラメータの立ち上がりで決まる臨界指数は熱平衡状態のものとは異なり得ることが知られている。一方、相互作用が斥力のときは、空間一様で運動量の分布が一山対称であれば常に安定で相転移が起こらないことが知られている。本講演では相互作用が斥力でも、運動量の分布が二山対称ならば相転移が起こることを示す。空間一様状態の安定性を理論的に調べた後、数値シミュレーションで臨界指数を求めたのでこれを報告する。