コロキウム

スモールワールドネットワーク上の結合振動子モデルの臨界指数

米田亮介 氏

2019年12月12日(木) 13時00分15時00分

総合研究10号館317号室(セミナー室)

同期現象を記述する代表的な結合振動子系モデルとして蔵本モデルがある。 蔵本モデルではひとつの振動子は自然振動数と呼ばれる振動数を持ち、 他のすべての振動子と結合関数を介して結合している。 結合強度は結合ペアに依らずに一定であり、その強度を表す定数を上げていくことによって 非同期状態から部分同期状態へと同期転移を起こすことが知られている。 同期転移は臨界指数によって特徴づけられるが、蔵本モデルにおける臨界指数は 自然振動数が従う分布や結合関数のとり方によって多様に変わることが知られている。 一方で、近年ネットワーク上の力学系が注目を集めており、 ネットワーク上の結合振動子モデルに関しても研究がなされているが、 自然振動数分布や結合関数のとり方で臨界指数がどういった値を取るかは知られていない。 本講演でははじめに蔵本モデルにおける臨界指数の研究を振り返る。 次にネットワークとしてスモールワールドネットワークを取り上げ、数値計算により求めた臨界指数を紹介する。

Last modified: Wed Jan 16 18:03:30 JST 2019